築地の火事は伝導過熱が原因!?家庭でできる防止対策は?

2017年8月3日、築地場外市場で大規模火災が発生しました。

ケガ人などの人的被害はなかったものの、完全消火まで約15時間を要し、7棟・約935平方メートルが全焼するという大災害となってしまいました。

いまだ場外市場店舗の再開のめどは立っていません。

その後の消防の調べにより、出火元となったのは井上というラーメン店で、出火原因は『伝導過熱』であるということがわかってきました。

伝導過熱とは、どういう現象なのでしょうか。

どのような対策をとれば防止できるのでしょうか…?

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発火当時、火は止められていた

火元となったラーメン店の従業員によると、出火したと思われる時間の1時間前には火を消していたと言います。

つまり、ガスコンロの火が直接の火災原因になったわけではなかった、ということになるわけです。

このように、火そのものが直接火災の原因になったわけではなく、火を使っていた横の壁に熱が伝わり、過熱されて発火することを、伝導過熱(でんどうかねつ)と言います。


消防が調べたところ、今回の築地火災の火元となったガスコンロがあったすぐ横の壁は「炭化していた」、つまり燃えやすい状態になっていた、ということが確認されています。

また、東京消防庁の発表によると、伝導過熱による火災は、2016年の1年間で21件発生しています。


火を消していても火災へとつながってしまう『伝導過熱』は、どのようにして起こるのでしょうか。

伝導過熱火災が起きる原因とメカニズム

調理場の壁の多くは、防火のためにステンレスなど金属の板でカバーがしてありますが、壁の素材そのものは木製の板だったりします。

ガスコンロを使用していると壁にもその熱が伝わり、木材部分に熱がこもります。

長時間・長期にわたってこのような状況が続き、木材に熱が蓄積していくことで、火を使っていなくても木材部分が自然発火してしまう…というようなことが起こるのです。

長い時間ガスコンロを使用することが多い木造の飲食店などで発生しやすい傾向にありますが、一般家庭でも起こる可能性は十分にあるということですから、家庭で調理する機会が多い人なら誰でも注意しておく必要があります。

伝導過熱は火災報知器が作動しない!

壁が伝導過熱を起こして燃え始めても、伝導過熱特有の発火のしかたが原因で、火災報知器が作動しにくいという特徴があります。

通常の室内での火災なら、まず煙があがり、その煙を火災報知器が探知することによって警報へとつながりますが、伝導過熱の場合は壁の中で火災が起こっているため、煙が外に出にくく、火災報知器が作動しないのです。

当然、直接目で見ても通常の火災よりわかりにくいのが伝導過熱の怖いところ。

そのため通報が遅れ、気が付いた時には大惨事になってしまっていることが多いのです。

今回の築地での火災はまさにそんなケースでした。

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伝導過熱火災は意外と身近なところで起きることも!

今自分が住んでいる住宅は築年数も浅く、鉄筋コンクリートだから大丈夫…とも言ってはいられません。

鉄筋コンクリートであっても「長時間にわたり、壁に熱が過剰に伝わってしまう」という条件が整えば発火してしまう恐れがあるので、家庭でよく調理をする機会が多い方は、伝導過熱を引き起こしにくい火の使い方についてチェックしておきましょう。

伝導過熱の防止対策方法

伝導過熱による火災を予防するためには、普段から心がけておくべき火の使い方があります。

伝導過熱は長時間・長期にわたって壁が過熱されて発火する現象ですから、壁が熱くなりにくい調理方法をしていくことが大切です。

ガスコンロは壁から離して置く

ビルトインタイプではなく置き型のガスコンロを使用しているなら、ガスコンロはなるべく壁から離して置きましょう。


ビルトイン式ガスコンロ。
置き場所を変えることはできないが、壁との間にグリル用の通気口もあり、適度な距離を考えて設置されています。


置き型式ガスコンロ。
できるだけ壁から離して使うことがポイント。

壁から離して置くことで、壁と距離ができて熱が伝わりにくくなるのはもちろん、火と壁の間に空気が通りやすくなり、壁に熱がこもるのを防ぐ効果が期待できます。

鍋やフライパンを壁に近づけない

ガスコンロだけでなく、熱くなった鍋やフライパンからの熱で、壁に熱がこもってしまうこともあります。

調理中の鍋やフライパンは、最低でも壁から10センチ、できれば15センチくらい離して使うようにし、壁に熱が伝わらないように工夫しましょう。

大型の鍋で調理する時は壁から遠いコンロを使い、壁に近いコンロは小型鍋専用にするなどの工夫によって、壁と鍋の距離をとることができます。


また、鍋と壁の間に空気を通すことも大切な要素になってきますので、調理中は必ず換気扇を回すようにしましょう。

換気扇は、稼働してから空気の流れができるまでしばらくかかりますから、過熱調理を始める5分くらい前から換気扇のスイッチをオンにしておき、加熱が終わった後も5分くらいまわしておくのがおすすめです。



以上のように、日ごろから火の使い方に注意して調理していれば、伝導過熱による火災を防止することができます。

火災は、火を使っている時だけ起こるものではありません。

日頃から火の使い方に十分注意を払い、安全を心がけましょう!

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