睡眠不足で認知症!?【最高の睡眠】西野精治氏の睡眠負債解消法

「睡眠不足は週末の寝だめで取り返せる」と思っていたら大変な間違いです!

睡眠不足が慢性化すると、肥満や認知症のリスクが倍増してしまうことも…。

「スタンフォード式 最高の睡眠」の著者、西野精治氏による、睡眠負債の解消法とは…?

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参照:2017年9月11日放送テレビ東京「主治医が見つかる診療所【睡眠負債を返済!最高の睡眠を得る方法教えます】」
  :日経トレンディネット
解説:スタンフォード大学医学部教授・スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長 西野精治氏

蓄積された睡眠不足は「睡眠負債」!

スタンフォード大学には、世界最高レベルの睡眠研究所があります。

その組織のトップを務めるのが、スタンフォード大学教授の西野精治博士。


睡眠に関する研究を30年以上重ねてきた西野先生によると、質の悪い睡眠の積み重ねは、睡眠不足ではなく睡眠負債と呼ぶべき深刻な問題なのだそう。

米国、特にスタンフォード大学では、睡眠不足ではなく睡眠負債(Sleep Debt)と言う表現が浸透しています。


「睡眠不足」と聞くと、週末に寝だめをすれば解消できるようなイメージがありますが、実際の睡眠負債はそんな軽いものではありません。

急性の睡眠不足(1日~2日程度睡眠が不足した状態・普段は質の良い睡眠を取っている)であれば、すぐに回復することができますが、睡眠負債は、本人も気付かないうちに長期にわたって不足が蓄積し、簡単には回復することができない状態になっていることを言います。

知らないうちに利息が付いて首が回らなくなる借金と同様、「いつの間にかどんどん睡眠負債が溜まっていき、1日や2日では返済(解消)できない」状態に陥っているのが睡眠負債の恐ろしいところ。

ある調査によると、自由に睡眠を取ってよい環境下で生活した場合、睡眠負債を抱えている人がそれを解消しきるまでには、「3週間もの期間を要した」、という結果も報告されています。

睡眠負債はあらゆる病気の発症リスクを高める

睡眠負債は、「慢性化した睡眠不足」。

睡眠不足が慢性化すると、あらゆる病気の発症リスクが高まります。

高血圧糖尿病などの生活習慣病はもちろん、肥満認知症心筋梗塞虚血性心疾患がんなど、命に関わる病気の原因になってしまうこともありますので、「たかが睡眠」とあなどってはいけません。

想像以上に危険なリスクと背中合わせにあるのが、睡眠負債なのです。

世界ワースト2位!日本人の睡眠負債は深刻

現代人、特に日本人の睡眠負債は深刻です。

2009年の調査では、OECD加盟国18か国中、2番目に睡眠時間が短い、という報告がありました。


引用元:日経トレンディネット/ https://trendy.nikkeibp.co.jp

世界の国別睡眠時間の調査では、OECDの枠を超えて世界100か国で比較しても、やはり日本がワースト2位であるという結果が出ています。

(韓国1位・シンガポール同立2位、睡眠時間の長いベスト3は、1位・オランダ、2位・ニュージーランド、3位・フランス)


西野博士によると、日本人の約40%は睡眠負債を抱えている可能性がある、とのこと。

特に40代・50代の睡眠時間の短さは顕著で、日本人全体の睡眠時間を引き下げていると言いますから、40代・50代の方は特に、睡眠時間とその質に関して注意を払う必要がありそうです。

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日本では寝すぎない方が良いと信じられていた!

日本では、江戸時代ごろ、「過剰な睡眠は体に悪い」と信じられていた時代がありました。

「寝すぎが体を悪くする、だから病気の人は長く寝てはいけない」と…。

このような時代からの流れで、日本では勤勉な人・まじめな人ほど睡眠時間を短くする(のが良いと考える)風習・刷り込みがあったのかもしれません。

睡眠負債のセルフチェック項目

とはいえ、「十分な睡眠時間」はその人の体質によってさまざま。

7時間で十分な人もいれば、8時間寝ないと調子が悪い人もいるでしょう。

自分は睡眠負債が溜まっているのかどうか、確認できるチェック項目があるので、ご自分が当てはまるかどうか今すぐチェックしてみましょう。

□ 最近朝の目覚めが悪くなった
□ 最近夜の寝つきが悪くなった
□ 昼間に強い眠気を感じることが増えた
□ 夜中に何度も起きてしまうようになった
 (夜間頻尿などが原因でもチェックします)
□ ちょっとしたことでイライラする
□ 休日は普段より2時間以上長く寝てしまう

いかがでしょうか。

目安としては、0個なら問題なし、1~2個であれば軽症、3~4個なら中程度、5~6個当てはまるようであれば、かなり重症化している可能性があると考えてよいでしょう。

一つでも当てはまる項目があるなら、睡眠負債が溜まっている可能性がありますので、この後にご紹介する睡眠改善・睡眠負債解消方法を参考に、睡眠のために良い生活習慣を身につけて行ってください。

睡眠の質が悪いと太るのはなぜ?

睡眠時間が短い人は、肥満傾向にあります。

100万人レベルを対象にした、睡眠時間とBMI値(肥満度の数値)の調査によって明らかになっています。

睡眠時間が長すぎてもBMI値が高くなりますが、7時間を境に、睡眠時間が短ければ短いほど肥満度が上がっていっていることがわかります。

なぜ睡眠時間が短いと、太りやすくなってしまうのでしょうか?


睡眠時間が短いと、食欲をおさえるホルモン『レプチン』の分泌量が減り、食欲を抑制できなくなります。

逆に、食欲を増進させる『グレリン』という胃の分泌物質が多く分泌されるようになってしまうのです。

夕食はしっかり食べたはずなのに、夜遅くまで起きていたら無性にお腹がすいてしまい、ついついインスタントラーメンを作って食べてしまった…などと言う経験はありませんか?

これはレプチンとグレリンの働きによるものだったのですね。


また、睡眠時間が短いと体のめぐりが悪くなるため、むくみにもつながり、これも体重増加の原因になります。


太りたくなかったら、1日の睡眠時間は6~8時間を守ることが大切です。

睡眠時間がホルモン分泌量に影響を与えるのはなぜ?

睡眠とホルモンの分泌には、深い関係があります。

ホルモンの分泌をつかさどるコントロールセンターは、脳の視床下部と下垂体にあります。

慢性的な睡眠不足に陥っている時は、脳のコンディションが悪くなっている状態ですから、コントロースセンターも正常に働くことができず、ホルモンバランスが崩れやすくなってしまうのです。


このコントロールセンターの不具合は、成長ホルモンの分泌にも影響します。

成長ホルモンは糖質の代謝にもかかわっているため、成長ホルモンの分泌が悪くなると、代謝が悪くなって太りやすくなるのです。

肥満だけで終わらない!睡眠負債のリスク

肌荒れ・シミ・抜け毛・薄毛・老化の原因に

成長ホルモンは、脂肪を燃焼する働きの他、細胞の生まれ変わりやダメージの修復にも関わっています。

成長ホルモンの働きによって、肌や粘膜が再生され、若々しさが保たれています。

さらに、日中紫外線で受けたダメージも修復し、紫外線によって発生した色素も回収されるので、シミやくすみの予防・改善にもつながります。

反対に睡眠不足が続くと、肌細胞の生まれ変わりが滞り、肌荒れやシミなどの肌老化を引き起こし、さらには抜け毛・薄毛などの原因にもなってしまうのです。

睡眠負債が溜まっている人は認知症になりやすい

起きている間、私たちの体の中では、色々な物質が産生されていきます。

これらの物質は、体内での役割が終われば、分解されて排泄されなければなりません。

この分解・排せつのプロセスが一番効率よく行われているのが睡眠中なのです。

アルツハイマー型認知症の原因物質であると言われるアミロイドβ(アミロイドベータ)も、そういった物質のひとつ。

睡眠によって適切に分解・排泄されていかないと、脳の中にアミロイドβが溜まってしまい、アルツハイマー型認知症にかかりやすくなってしまうのです。

免疫力低下

睡眠は、免疫力とも深い関係にあります。

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、体内のウイルスやがん細胞を抑え、私たちの体を守る大切な役割を果たしています。

このNK細胞は、睡眠中により活発に働く性質があるため、睡眠時間が不十分だと活動が抑えられてしまい、免疫力が低下します。

睡眠負債が蓄積していると、風やインフルエンザにかかりやすくなり、ひいてはがんなどの重い病気にかかるリスクが上がってしまう、ということ…。

こわいですね。

思い当たる人は、今日からすぐに睡眠環境の改善をはかりましょう!

睡眠時無呼吸症候群は致死率40%!

眠っている間、何度も呼吸が止まってしまう『睡眠時無呼吸症候群』という睡眠障害があります。

この病気にかかっていると、睡眠中、本来休んでいるはずの脳や体が覚醒状態になります。

このため、いくら長い時間眠っても疲れが取れず、酸素不足にも陥って脳や心臓に負担がかかり、脳卒中・心筋梗塞・狭心症などの発症リスクが高くなります

アメリカの調査では、重症の睡眠時無呼吸症候群患者を何の治療もせず放置した場合、8年後には40%の方が亡くなってしまう、というデータも産出されています。

眠りについてからの90分間の睡眠が大切

睡眠は、眠りはじめの最初の90分間が一番大切です。

この90分間は、『黄金の90分』とも呼ばれています。

眠りはじめの90分間の睡眠が一日のうちで最も深い眠りであり、この90分間をいかに深く眠るかで、睡眠の質が決まってきます。


成長ホルモン7割~8割がのこの90分間に分泌されているということからも、眠りはじめの90分がいかに大切かお分かりいただけると思います。

この眠りはじめの90分を逃してしまうと、成長ホルモンは十分に分泌されません。

このため、最初の90分の眠りが浅いと、いくら眠っても疲れが取れないままで過ごさなくてはなりません。


寝る直前までスマホやパソコンの強い光を目に浴びていたり、部屋の温度が暑すぎたり寒すぎたりなどで快適な眠りに漬けなかったりすると、最初の90分の眠りの質が下がってしまいます。

逆にいうと、最初の90分の眠りの質が高ければ、仮に睡眠時間が少々短かったとしても「質の良い睡眠を取った」と言うことになるのです。

最初の90分をしっかり眠った6時間睡眠 >> 最初の90分が眠れなかった8時間睡眠

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スタンフォード式『最高の睡眠』の導き方

「夜と昼」=「眠りと覚醒」は表裏一体です。

睡眠の質を上げるための活動は、朝起きた時からすでに始まっています。

食べ物や行動パターンにも、良質の睡眠へとつながるヒントがありますので、できるものから次々取り入れて行ってみて下さい。

朝しっかり目を覚ます

夜眠る時の睡眠の質を上げるためには、朝しっかり目を覚ますことが大切です。

そのためには、朝必ず太陽の光を浴びることが大切。

朝の太陽の光は、狂いがちな体内のリズム(体内時計)をリセットする作用があります。

わずか1分程度でも良いので、陽の光を浴びるようにしましょう。

朝、10~15分程度の適度な有酸素運動をする

通勤や通学のための徒歩や自転車でも良いので、朝、10分から15分程度の軽い有酸素運動を取り入れるようにしましょう。

汗だくになってしまうような激しい運動だと、覚醒を通り越して疲労につながってしまい、その日のパフォーマンスにも悪影響が出てしまうため、呼吸が乱れない程度の有酸素運動が最適です。

コーヒーは眠る時間の5~6時間前まで

コーヒーには、覚醒作用があるため、遅い時間に飲むと睡眠に影響します。

コーヒーは好きなだけ(1日4杯でも5杯でも)飲んでも良いですが、飲む時間は、眠る予定の時間の5~6時間前までにしましょう。

西野教授はご自身の経験上、夜に覚醒するリスクを下げるため、お昼の2時ごろのコーヒーを最後のコーヒーと決めておられるそうです。

カフェインの影響は、人によっては6時間続く」という研究結果もありますので、眠る予定の時間から逆算して、6~7時間前までにはその日の最期のコーヒーを飲み終えておきましょう。

今日から夕食後のコーヒーとはさようなら、ですね。

お風呂は眠る2時間前に

質の良い眠りには、体温が重要になってきます。

眠る時間になる頃には深部体温が下がり、手足の温度が上がっているのが理想的。

通常起きている時、深部体温と手足の温度は2度くらい差がありますが、その差が小さくなった時ほど眠りやすくなる、というデータがあります。


寝る前までに深部体温を下げるために効果的なのは、寝る2時間前の入浴です。

入浴することでいったん上がった体温は、温まった体の熱を放出しようとするため、反動で通常よりも低いところまで体温を下げてきます。

およそ90分かけてゆっくり体温が下がっていくため、睡眠予定時間の2時間前に入浴し、30分程度であげがるのが理想的なのです。


この入浴と睡眠の時間のサイクルが整っていると、お風呂から上がって90分経つ頃には自然に眠くなり、頑張って寝ようとしなくても質の良い睡眠を取ることができるようになります。

眠りは副交感神経のコントロール下に入りますので、入浴後の90分間は、できるだけ刺激的なことやストレスになる行動は避け、ゆったりリラックスして、心を穏やかにして過ごすのも大切なポイントです。

夕食に体を冷やす食材を食べる

体を冷やすもう一つの手段として、夕食の食材があります。

トマトやキュウリ、パイナップル、スイカなど、体を冷やす効果のある食材を夕食に食べることで、効率よく体を冷やし、睡眠の質を上げることができます。

スマホやパソコンのネットは遅い時間にやらない

眠る前には、脳が穏やかで安らかになっているのが理想的です。

ところが、スマホやパソコンなどで、刺激的で面白いコンテンツを見たり、友達との通信で盛り上がってしまったりすると、脳が興奮状態になってしまいます。

また、直前に見たコンテンツが気になって、覚醒状態になってしまいますので、寝る前のスマホ・パソコンは控えるようにしましょう。


その他、部屋の温度が暑すぎる・寒すぎる、部屋の照明が明るすぎる、物音が気になるなど、睡眠の妨げになり得るものはできるだけ排除していくのが理想的です。

最高の睡眠のための行動まとめ

◇必ず朝日をあびる
◇朝、軽い運動をする
◇コーヒーは睡眠の6時間前まで
◇睡眠の2時間前に入浴する
◇夕食にトマトやキュウリを食べる
◇寝る前のスマホ・パソコンは控えめに
◇部屋の温度を最適に
◇明かりや物音はできるだけ排除する

おまけ:不眠恐怖症に注意

ここまで不眠がいかにダメで、質の高い睡眠がいかに大切かをお話してきましたが、不眠を過度に恐れる「不眠恐怖症」にも注意が必要です。

c「○○時間しか眠っていない」「最近頻尿で夜中忍土も起きてしまうので睡眠の質が低い」「今日も眠れないのでは…?」と、恐怖症のように気にしてしまう人がいます。

あまり気にしすぎると、眠る時に交感神経が優位になってしまい、リラックスできずに入眠が阻害される…という悪循環を招いてしまうことがあるため、気にしすぎには注意してくださいね。


睡眠時の無呼吸や睡眠障害など、睡眠に関して気になることがある方は、早めに睡眠外来を受診しましょう。

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